研究概要 |
昨年度確立した技術を用いて、2cm×2cmのITO基板上に、金ナノ粒子を配列化した、大面積近接場光源を用いて、二光子吸収によるフォトクロミック反応を実証した。反応には、<400nmで閉環反応が生じ、400-700nmで開環反応が生じるHFDE (1,2-Bis[2-methyl-benzo[b]thiophene-3-yl]-3,3,4,4,5,5-hexafluoro-1-cyclo-pentane) 色素を用いた。金ナノ粒子は、15, 38, 56, 74nmの粒径のものを調整し、局在表面プラズモンの共鳴波長が622, 665, 704, 905nmになり、この波長の半分が400-700nmの範囲に入っている粒径74nmの配列を用いて開環反応を試したところ強い反応が生じ、2次の入射光パワー依存性を示したことから二光子吸収が実現したと結論付けた。 昨年度試作が上手く行かなかった銀ナノ粒子に代わって、金を核粒子として、銀を殻層としたコアシェルナノ粒子を用いる方針に変更し、配列化することに成功した。今後は、このコアシェル粒子を積極的に用いて行く方針である。
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