研究課題
本研究の目的は、テラヘルツ(THz)帯に磁気応答を示す磁性体を用いて、近接場効果(誘電応答や磁気応答)を利用し、高空間分解能化や、磁場成分の増強およびこれらの効果を用いた応用研究を進めることである。金属探針をもちいたテラヘルツ近接場顕微鏡を構築し、空間分解能を評価したところ、回折限界を大きく超えた50μm程度(λ/100)の超高分解能にてイメージング測定に成功した。昨年度に報告した強磁性共鳴下の磁性体に金属壁を接近させることで生じるウォール効果の存在ついては、さらなる詳細な研究が必要であるとの結論を得た。磁性体Baフェライトを探針として、構築した近接場顕微鏡においては、誘電的な応答であるが、金属探針を用いたものと同等の高感度測定が可能であることを示した。この成果については、Applied Physics Lettersに掲載された。磁性体表面に金属で微細構造を作製し、磁場成分の増強に成功し、大振幅のコヒーレントスピン歳差運動の測定に成功した。温度を代えることで、磁性体における共鳴周波数を変化させ、共鳴下と非共鳴下での振る舞いの違いを確認した。微細構造における増強因子については、概ねシミュレーションで得られた値と同等であることが確認できた。増強係数としては、微細構造の厚み等を最適化することでさらなる増強が可能であることが分かった。磁性体と微細構造間との間での相互作用の存在を示唆する結果が得られており、この結果については現在論文投稿に向けて準備中である。
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