研究課題/領域番号 |
24656051
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井須 俊郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 特任教授 (00379546)
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研究分担者 |
森田 健 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30448344)
北田 貴弘 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 特任准教授 (90283738)
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キーワード | 半導体レーザ / 面発光 / 化合物半導体多層膜 / MBE,エピタキシャル成長 / 量子ドット / 二波長発光 / 結合共振器構造 / ウエハ接合 |
研究概要 |
本研究では簡便なテラヘルツ波発生素子に向けて、差周波発生可能な半導体多層膜結合共振器構造による二波長面発光のレーザ発振を実現することを目的とし、広帯域の利得スペクトル幅をもつレーサ活性層、非線形分極の制御が行える結合共振器構造、および電流注入による二波長発光の制御の三つの要素技術に関する研究を実施した。 平成25年度は広帯域の利得スペクトル幅を持つInAs量子ドットをレーサ活性層とし多結合共振器構造を作製し、二つの共振器層の等価性と二波長発光スペクトルの関係を明らかにし、テラヘルツ差周波発生において二つの共振器層膜厚の等価性が重要であることを示すとともに、その作製における定量的条件を明らかにした。さらに、GaAs(100)基板上において室温で光励起により等しい強度で二波長発振する結合共振器構造を実現した。 非線形分極の制御については、二次非線形性を有するGaAs(113)B基板上の多層膜共振委構造と、利得媒質となる量子井戸中InAs量子ドットを含むGaAs(100)基板上の共振器構造を貼り合せることにより結合共振器構造を作製した。この貼り合せによる結合共振器構造において光励起により二波長発光を確認した。 電流注入による発光制御に向けては、GaAs(100)基板上の量子井戸中InAs量子ドットを活性層とした二波長面発光レーザ構造を作製し、電流注入による発光特性を調べ、二波長の発光を確認した。十分な電流注入ができずレーザ発振には至らなかったが、その原因が電極の接触抵抗によるものでなくDBR膜構造の抵抗によるものであることを明らかにし、DBR膜構造の改良により電流注入による二波長発振の実現の見通しを明確にすることができた。
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