本課題の目的は、研究代表者が発明した「回転検出結晶法」による高速・高精度テラヘルツ波偏光(偏波)分析装置を用いて、反射型高精度テラヘルツ「偏光」イメージング計測技術を開発することである。すでに前年度(平成24年度)にて当該研究課題の当初計画に記した「装置開発」と「応用事例の提示」の双方について大きな成功をおさめたため、平成25年度は更に信頼性が高く、かつ使いやすい装置を目指した研究および開発を進めた。以下、平成25年度に達成した研究・開発内容を箇条書きで記す。 ・「回転検出結晶法」について、計測に用いる結晶内部の残留ひずみや、波長板などの光学素子の角度が計測に与える影響を調べた。その結果、多少光学素子の調整がとれていなくても、極めて正確に偏光計測ができることを理論と実験の双方で証明した。 ・同手法でスペクトル計測を行うときに問題となる位相整合条件の議論について、理論的および実験的な検証を行った。 ・同手法とCCDカメラを組み合わせた高速テラヘルツ電場ベクトルイメージング光学系の装置改善に努めた。 ・「回転検出結晶法」に代わる、電気光学変調器を用いた超高速テラヘルツ電場ベクトル計測装置を開発した。 以上のように平成25年度は、研究代表者が発明した技術について更にその内容を深化・改善することに努めた。その結果、測定装置の信頼性評価が進み、また産業応用に適するような可搬式でかつ高速に計測が終了する装置開発に弾みをつけることができた。
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