非破壊100Tの磁場発生を可能にするパルス強磁場コイル用線材として、高強度-高電気伝導度特性を兼ね備えた銅チタン線の開発を行った。Cu-3.2wt%Tiの組成で真空溶解したインゴットから、最終的に冷間線引きによって断積2mm×3mmの平角銅チタン線を作成した。さらに靭性の向上と導電性回復のために、塩浴予備時効+時効の2段階の調整熱処理を行い、標準的な実用銅銀の強度を上回るビッカース硬さHv310と、導電性17%IACS(焼鈍標準軟銅に対する抵抗の百分率)の特性を得た。今後、この銅チタン線を用いたコイル開発を進めて、線材実用性の検証を行う。
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