研究課題/領域番号 |
24656061
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
堀岡 一彦 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10126328)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 超音速流 / ガスジェット / レーザー / プラズマ / プラズマ光源 / 衝撃波 / ラバールノズル / ディフューザー |
研究概要 |
本研究は密度と分布の制御が可能な極超音速定常ガスターゲットを真空中に形成する技術を確立し,定常的なプラズマ光源を開発することを目指している。 今年度は極超音速ジェットを生成できるミニチュアノズルを設計・製作し,圧力特性を基に超音速膨張流の状況を調べた。また,定常な極超音速流を実現するため,ディフューザーを合わせて製作し,圧力回復特性のディフューザー形状依存性を検討した。その結果,①圧力特性はノズル形状や動作圧力依存性を持つこと,②圧力回復特性はマッハ数に依存することなどが明らかになった。また,極超音速流の生成に伴ってクラスターが形成されていることがわかった。 高フラックスのクラスター流はレーザーターゲットとして有効であるが,これまでは非平衡凝縮過程によって形成されるクラスターのサイズ分布やフラックスの定量的な予測は困難であった。本研究では,定式化が困難な凝縮係数や表面張力係数などのミクロな係数を,数値計算結果と圧力特性とのフィッティングによって半実験的に求める非平衡凝縮超音速流の数値モデルを構築した。その結果,超音速流中に形成されるクラスターのサイズとフラックスの定量的な評価が可能になった。 また,超音速流とレーザー生成プラズマの相互作用を検討するため,既設の炭酸ガスレーザーと高速カメラを用いてレーザー駆動の衝撃波の進展状況を調べる装置を構築した。基礎的な実験を行った結果,エネルギー出力(1-3J),パルス幅μ秒程度のレーザー照射によって衝撃波が形成される事を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
極超音速流の生成,圧力特性,回復特性の評価やレーザー駆動の衝撃波形成試験などをはじめ,目的達成に向けて研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題は,レーザープラズマと超音速流との相互作用の解明である。今年度に構築したレーザー駆動の衝撃波観測装置を用いて,レーザープラズマと衝撃波,プラズマと衝撃波の進展過程,それらと超音速流との相互作用などを調べ,超音速ジェットの生成過程の検討に加えて,連続あるいは繰り返し動作に伴うターゲットガスの擾乱や初期条件回復時間などについて定量的に評価を行う。 なお,ガスジェット形成実験の一部を次年度に繰り延べたため,289,849円の未使用額が発生したが,これについては25年度の研究計画のために使用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は主として,動作ガスや衝撃波の形状や時間発展を評価に用いる画像計測のための光学部品,動作ガス,観測室の真空部品など,消耗品を主として購入する予定である。
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