常圧焼成法による大型のMWCNT/アルミナ複合材料の作製に成功したことで,開発が求められているGHzの周波数帯域における電磁波吸収特性の定量評価が初めて可能となった.MWCNT未添加のアルミナ焼結体は,評価対象とした0.1~18 GHzの周波数帯域において顕著な電磁波吸収特性が認められなかったことに対して,MWCNTを配向したいずれの複合材料においても周波数が高くなるに伴い電磁波吸収率は向上し,4~30 GHzにおいては95%程度の優れた電磁波吸収特性を有していることがわかった.これは,世界初の報告であり,MWCNTは電磁波吸収材料の新素材としての可能性を有していることを示唆するものである.
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