振動によって周期変化するシリコン製のMEMS構造体振動子の局所応力を計測するための時間分解顕微ラマン分光を実現することを目的として,プルインを用いた静電駆動MEMSチョッパーを提案,試作,評価した.静電駆動アクチュエータの可動部のおもりにスリットを形成し,ガラス基板上のシャッターと組み合わせて,駆動によりON/OFFを切り替える.このデバイスを市販の顕微ラマン分光装置の入射光学系に挿入し,ラマン分光の励起光を時間変調させ,振動子の駆動と同期させることで応力をストロボスコピックに時間分解を実現する.試作した両側駆動チョッパの切り替え時間は50μ秒以下であり,応用可能であることを示した.
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