研究課題/領域番号 |
24656088
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 照剛 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334011)
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研究分担者 |
高谷 裕浩 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70243178)
道畑 正岐 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70588855)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 粘性計測 / 蛍光偏光法 / 回転拡散係数 / デバイストークスアインシュタインの法則 |
研究概要 |
本研究では,微量サンプルの粘性を高速かつ高精度に計測する技術を新たに提案している.提案する技術では,蛍光分子(直径1nm)を粘性計測のプローブとし,蛍光分子の回転ブラウン運動による分子拡散時間が粘性によって変化することを利用して,液体の粘性を計測する.粘性計測は,10ns以内で減衰する蛍光信号を偏光成分解析することによって行われることから,100MHzの帯域での繰り返し計測が可能となり,粘度の測定精度および測定速度が向上すると考えられる.また,蛍光信号は,マイクロリットル単位の微量サンプルからも取得が可能であり,粘性計測結果に影響を与えるサンプルの温度制御が容易に高速かつ安定して行える利点もある.本手法では,デバイ・ストークス・アインシュタインの式によって粘度を定義し,その値を精密計測する技術を確立することを目標とする.超精密粘度計測用ナノプローブの開発では,粘度計測のプローブとして蛍光分子を用い,そのブラウン運動による拡散状態の変化から粘度を測定するための基本技術を開発する.測定対象となる溶液中の蛍光分子のブラウン運動による拡散現象は,蛍光分子の特性(サイズ,形状,表面特性)と測定する液体の性質(極性溶液,非極性,pHなど)によって変化すると考えられるので,水系のサンプルに対する粘度計測特性を検証するため,極性溶媒用粘度計測プローブとして利用予定の蛍光分子:フルオレセイン(粒径1.1nm)を水に分散し,温度を変化させ,粘度に対する蛍光分子の回転拡散係数の変化を調べる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超精密粘度計測用ナノプローブの開発では,粘度計測のプローブとして蛍光分子を用い,そのブラウン運動による拡散状態の変化から粘度を測定するための基本技術を開発する.測定対象となる溶液中の蛍光分子のブラウン運動による拡散現象は,蛍光分子の特性(サイズ,形状,表面特性)と測定する液体の性質(極性溶液,非極性,pHなど)によって変化すると考えられるので,水系のサンプルに対する粘度計測特性を検証するため,極性溶媒用粘度計測プローブとして利用予定の蛍光分子:フルオレセイン(粒径1.1nm)を水に分散し,温度を変化させ,粘度に対する蛍光分子の回転拡散係数の変化を調べる. 蛍光分子の回転拡散係数の測定は,開発済みの蛍光異方性計測システム(現有)を使用して行う.現有する蛍光異方性計測システムは,サンプルの温度制御(±0.1℃)を行いながら,蛍光異方性の変化を計測できるシステムであり,蛍光寿命が既知パラメータである場合に,測定するプローブ(蛍光分子)のブラウン運動における回転拡散係数を評価することができる. これらの実験のデータから,わずかな粘性変化(温度変化等による)に伴って,蛍光プローブから計測できる蛍光偏光度の計測が可能であることを実験的に検証し,提案手法の妥当性についての検証を行った.
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今後の研究の推進方策 |
蛍光分子の蛍光寿命が未知,あるいは,蛍光プローブの蛍光寿命が液体の種類によって変化する場合,ブラウン粒子として駆動される蛍光ナノプローブの回転拡散係数を計測するためには,蛍光異方性の計測時にプローブの蛍光寿命を併せて計測する必要がある.本計画では,蛍光寿命の計測技術を確立するため,音響光変調素子(AOM)(パナソニック エレクトロニックデバイス,EFLM200AL2G,波長440-550nm),信号プロセッサ(パナソニック エレクトロニックデバイス,EFLC200P25W,200 MHz ±0.25MHz), ファンクションジェネレータ(菊水電子工業,FGA5050GC, 50MHz)を用いて,照明光の光強度を変調する強度変調を行い,受光器としてフォトダイオード(浜松ホトニクス, S3399),フォトセンサアンプ(浜松ホトニクス,C8366),オシロスコープ(レクロイ,WaveRunner104Xi-A, 1GHz,現有)を用いて,信号強度の変調と蛍光信号の時間分解計測を行う技術を確立する.蛍光寿命は,正弦波形で振幅変調された照明光(周波数 )で蛍光色素を照明するとき,蛍光信号応答と照明光の振幅の時間波形の間に生じる位相差と蛍光寿命 の関係から計測できる.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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