研究課題/領域番号 |
24656093
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高 偉 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70270816)
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研究分担者 |
清水 裕樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70606384)
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キーワード | 計測 / 形状 / 静電気力 / プローブ顕微鏡 / 金型 / バイオオプティクス / マイクロ / 精度 |
研究概要 |
本研究は電荷を蓄えられるプローブ探針を用いて,大気中の水分が試料表面に凝着することで生成されるナノスケール厚さの水膜などから発生する静電気力遠接場を高速・高感度に可視化することで探針・試料表面間の微空間絶対遠接距離を自律的に計測する手法を提案し,高アスペクト比で複雑な構造を持つマイクロバイオオプティクスの微細形状を表面の物性値に影響されずに安定して完全非接触に高精度計測可能である,画期的な静電気力遠接場(Electrostatic force far field: EF3)走査プローブ顕微鏡(EF3ナノスコープ)の実現に挑戦することを研究の目的としている. 本年度は昨年度製作された微空間絶対遠接場距離計測システムと精密XYZステージを組み合わせることで,三次元形状計測システムであるEF3ナノスコープを構築した.実験では,まず静電気力値一定フィードバックを行うシステム及びプログラムを作製し追従制御方式で形状測定を行った.XY軸方向については予め設定した軌道をもとにラスタスキャンを行い,微空間絶対遠接場距離は計測後のデータ処理にて演算を行うソフトウェアの開発を行った.以上のように構築されたEF3ナノスコープを用いて導電体試料の表面形状計測を実施し,その計測精度を検証し,従来のAFMよりも10倍以上の探針試料間ギャップで計測できることを実証した.また,EF3ナノスコープを導電体試料以外の形状計測へも応用した.試料表面に形成する水膜を利用すれば,誘電体,絶縁体など,幅広い材料への適用が可能なことを示した.さらに,ドリフトの低減や,高速走査に伴う計測精度向の方策についても検討した.
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