研究課題/領域番号 |
24656096
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
比田井 洋史 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60313334)
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研究分担者 |
森田 昇 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30239660)
松坂 壮太 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30334171)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 精密部品加工 / ガラス / 微粒子 / マニピュレ-ション |
研究概要 |
(1)ガラス流動の観察:移動中の金属微粒子と周囲のガラスの流動を観察することで,ドライビングフォース解明のヒントを得た.熱放射や加熱用レーザ光の散乱により,この微粒子が発光する問題から,これまで,微粒子近傍のガラスの流れを観察できていなかったが, CCDカメラに対し金属微粒子の背面から440nm付近に波長ピークをもつメタルハライドランプを照射し,中心波長440nmのバンドパスフィルタを介しシャドーグラフ法により撮影した照明用の光源,フィルタなどを組み合わせることで,移動中の様子を観察できた. (2)温度解析:金属微粒子および周囲のガラスの温度状態が重要なパラメータだと考えられる.そこで,伝熱計算により微粒子およびガラスの温度計算を行い,温度状態の推定を行った.微粒子の表面とその近傍のガラスには数百K以上の温度勾配があることが明らかになった.温度依存性のある物性値として表面張力,粘性力が挙げられる.表面張力の大きさは高温>低温であるため,微粒子とガラスの界面において表面張力により微粒子の進行方向に力が働く.特に温度勾配のある状況下において,表面張力>粘性力となった場合,流体表面に微粒子の進行方向と反対向きのマランゴニ対流が発生する.これらの状態から微粒子の移動を引き起こすドライビングフォースの定性的に明らかにした.来年度,より厳密な数値解析を行い,この表面張力を定量的に解析することで移動する微粒子のドライビングフォースを定量的に明らかにできると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
温度計算に手間取り,やや進行が遅れているが,目処はついており,新年度挽回できると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
次年度では,本年度で取得したデータをまとめ,その後,本手法で実現できるデバイスを試作する. (4)照射条件,温度条件:2つのレーザ光を異なる方向から微粒子に照射したり,試料全体をヒータで加熱したりすることで温度状態を変化させて,移動の様子を観察する. (5)移動メカニズムの解明:昨年度までのデータをまとめ,微粒子の移動を引き起こしているドライビングフォースを定量的に明らかにする. (6)マニピュレ-ション手法の確立:今までは,カメラで観察しながら,所望の位置に微粒子が到達したらレーザ照射をやめることで微粒子を配置してきた.これに対して,上記までの結果から,所望の位置に微粒子を配置するための最適な手法,条件を選定し,移動中に観察することなく,微粒子を数ミクロン程度の誤差で所望の位置に配置するマニピュレ-ション手法を確立する.
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品として,実験試料の購入 成果報告用に,各学会への参加,論文投稿,校閲などの費用に充当する予定である.
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