次世代の電子材料であるグラフェンは、SiC表面上で容易に形成できるが、ピットが多いという欠点がある。これは、SiC表面上のC原子濃度が不足しているためである。 本研究では、室温近傍でのプラズマ酸化とウェットエッチングを併用することで、熱プロセスに頼ることなく、超平坦SiC表面上のSi原子を原子層レベルで選択的に除去する手法を見出した。 次に、この表面C原子濃度が高いSiC表面を真空中で加熱し、グラフェンを形成した。その結果、一連のプラズマ処理を行わなかった場合とは大きく異なり、500nm程度のテラス幅を持つSiC表面において、ピットがほとんど存在しないグラフェンを得ることができた。
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