イオン液体(以下IL)は新規潤滑油として注目され,また高圧条件下で二酸化炭素(以下CO2)をよく吸収する.CO2は軸受鋼の摩擦試験において,摩擦面と反応し炭酸鉄被膜などを生成し摩擦を低減する.そこでエンジンオイルへのILの応用という着想に至った.ガソリンの燃焼により発生した高圧のCO2はILに吸収され,摩擦場に供給されやすく潤滑性の被膜を形成しやすくなるというものである. ILおよびCO2を吸収させたILの潤滑特性を評価した結果,ある種のイオン液体は二酸化炭素を吸収することで摩擦および摩耗ともに低減させる効果を発揮することがわかった.
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