本研究では、HDDのデータ復旧で特に困難と推定される磁気ディスクが損傷した場合の、損傷部以外のデータを復旧させる技術の確立を目的とする。具体的には、①摩耗粉の飛散した磁気ディスク面のクリーニング技術の開発、②ディスクに塗布された潤滑剤のリンス 技術の開発、③再塗布する潤滑剤の検討と再塗布技術の開発、④データ読み出し技術の研究、の4点である。そこで、本年度はHDDが浸水しディスク面が汚染された時のディスク面のクリーニングのため、汚れの洗浄リンス方法の開発と潤滑剤の再塗布方法の開発を目的として以下の検討を行った。 ①超音波洗浄機を用いて、洗剤溶液にHDDの一部を浸漬して60度で30分洗浄し、その後蒸留水にて2度リンスすることで、ディスク面の汚れを10%以下に低減可能であることを確認した。 ②さらに、3.5インチHDDのディスクをテープクリーニングすることで、ディスク面の汚れを数%に低減可能であることを確認した。
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