研究課題/領域番号 |
24656117
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20156128)
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研究分担者 |
高奈 秀匡 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (40375118)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 機能性流体 / 流体工学 / プラズマ流 / エアロゾル / 環境技術 |
研究概要 |
本研究では、独自に作製したプラズマリアクター中にメチレンブルー溶液をエアロゾル化し、脱色分解方法について実験解析を行った。プラズマリアクターの基礎特性の解明と有機色素の分解エネルギー効率、分解率向上のための物理化学的重要因子の抽出、さらには、液体物性変化、水質浄化との相関を明らかにし、液体改質応用のための基礎資料を提供した。本研究で得られた結論を以下に要約する。 ①管内壁面にメッシュ電極、外壁に銅テープ電極を有したエアロゾルプラズマリアクターを独自に作製した。エアロゾルプラズマリアクターは、エアロゾルの有無にかかわらず、数ワット程度で管内壁面上に安定なプラズマが生成される。 ②空気を作動ガスとした際のオゾンの生成特性を明らかにした。また、分光計測によりアルゴンを作動ガスとした場合に、OHラジカルが生成されていることを確認した。 ③本処理方法によってH2O2、ROS、O3が効率的に界面から液滴中に溶存する。H2O2は、pHが高くなるにつれて溶存量が増加する。ROSの溶存量は、特に酸性溶液の場合に顕著である。O3は、いずれの溶液に対しても同程度溶存する。 ④本処理方法によってメチレンブルー溶液をほぼ完全に脱色することが可能である。また、溶液pHの上昇に伴い、空気プラズマによる脱色率は増加する。アルゴンを作動ガスとした場合には、メチレンブルーの脱色率は低い値を示す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
独自に製作した処理液をエアロゾル化した分解システムを用いて、メチレンブルー溶液を小電力で非常に高効率で処理することができ、また、強難分解性有機物である酢酸も分解可能であることが示唆されたことから、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現状では、溶液が直接プラズマ分解に接しないため、酢酸の分解率は低い。少量で高濃度の難分解性物質分解のためには、プラズマリアクターを二重同軸円筒形状に改良し、酢酸分解率の向上を目指す。また、気液界面を透過するオゾンや活性種のモデリングをし、液滴中に溶存する化学種の拡散分解機構も明らかにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
気化器等も購入し、蒸気プラズマ発生部も試作する。
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