研究課題
本研究は、プラズマ化学の視点でDBDチューブ内のプラズマとミスト流の界面反応に関して、プラズマ-気相-液滴間の三相反応モデルの構築とDBDプラズマチューブによる難分解性物質の分解特性を実験的に評価した。以下に得られた結果を示す。1.独自に作製したDBDプラズマチューブ中にメチレンブルー溶液をエアロゾル化し、脱色分解方法について実験解析を行った。プラズマリアクターの基礎特性の解明と有機色素の分解エネルギー効率、分解率向上のための物理化学的重要因子の抽出、さらには、液体物性変化、水質浄化との相関を明らかにし、液体改質応用のための基礎資料を提供した。2.DBDプラズマチューブによる水質浄化実験に基づき、プラズマ、気相、液相の3相反応のモデリング及び数値シミュレーションを行った。本シミュレーションでは、時間スケールの違う現象を扱うために3つのステップに分ける数値計算法を提案した。化学種溶存量のpH依存性が実験と良い一致を示し、本モデルの定性的な妥当性が示された。また、管内ミストへの化学種溶存濃度より本処理方法における最適な管長や管径が存在することが示された。3.同軸円筒形状のDBDチューブに改良し、消費電力、生成化学種に関して、空気、酸素、アルゴンを作動ガスとした場合を明らかにした。分光計測により、アルゴンを作動ガスとした場合、水の解離反応によりOH、O、Hラジカル生成が促進されることを確認した。通常オゾンのみでは分解されない酢酸を分解対象とした水処理実験を行い、数ミリ秒という極めて短いミスト滞在時間にもかかわらず、各作動ガスにおいて60%~80%の高い分解率を示した。また、空気の場合のみ副生成物であるギ酸が生成されることから、作動ガスによる酢酸の分解プロセス選択性も示した。
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Journal of Physics D : Applied Physics
巻: Vol.47, No.10 ページ: 105203
10.1088/0022-3727/47/10/105203
日本機械学会論文集, B編
巻: 第79巻 ページ: 796-798
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/nishiyama-lab/japanese.html