研究課題/領域番号 |
24656123
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒瀬 良一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70371622)
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研究分担者 |
小森 悟 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60127082)
高垣 直尚 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00554221)
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キーワード | 計測技術 / 濃度計測 / 二酸化炭素 / 地球温暖化 |
研究概要 |
地球の温暖化および異常気象の正確な予測に関連して,風波気液界面を通しての二酸化炭素移動量(フラックス)に関するモデルを構築することは極めて重要であるが,その正確な評価手法は確立されていない.理論的に最も厳密かつ有効な二酸化炭素フラックスの評価手法として,渦相関法があげられる.しかし,既存の国内外最高性能を有する二酸化炭素濃度測定器を用いてもその空間・時間分解能が極めて低いため,風波気液界面近傍の流れ場に渦相関法を適用できる状況にはない.本研究では,光ファイバキャビティリングダウン(CRDS)式濃度測定法を二酸化炭素濃度測定に応用することにより,高性能の二酸化炭素濃度計を開発することを目的とする. 昨年度はCRDS分光法を適用した新規の二酸化炭素濃度測定機の試作機開発に成功した.しかし,本試作機の濃度測定精度はフルスケールの約10%と悪いため,今年度は本試作機の精度向上を試みた.具体的には、より測定容積の大きいガスセルを作成・使用した.しかし,本改良によっても測定精度の劇的な向上は実現されなかった.本濃度計を実用化するためには,光学素子の選択や改良を通して濃度計測におけるノイズの低減をより一層行い,測定精度の向上を図る必要がある. さらに,今年度は,従来用いてきた二酸化炭素フラックス計測法であるマスバランス法(気側)の改良を行い,液側におけるマスバランス法を確立した.既往のマスバランス法(気側)と新規に開発した液側マスバランス法を使用した比較試験を,風速5m/s程度の低風速において,海洋のシミュレーション装置である風波水槽内部で実施した.その結果,風速5m/s程度の低風速において両手法により測定された液側物質移動係数kLとの値は良好に一致すること,および新規に開発した液側マスバランス法では風速20m/s以上の高風速域においても測定が可能であることを確認した.
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