研究課題/領域番号 |
24656129
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
水沼 博 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20117724)
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研究分担者 |
小原 弘道 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (80305424)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | せん断流 / 移植 / 肝臓 / 細胞治療 / 細胞移植 / 臓器再生 |
研究概要 |
肝細胞の機能を人工的に代替えすることは難しく,移植不適合なドナー肝臓やiPS 細胞などの幹細胞分化により直接的に取得可能な肝細胞を積極的に活用する研究が進められており,臨床への期待の高い肝細胞移植,肝細胞確保の課題のあるバイオ人工肝臓,そして,再生医療との融合への期待の高まる組織再生肝臓などの確立が期待されている.本研究は,このような次世代型医療の確立に必要不可欠である肝細胞灌流抽出に関して,流体力学的側面から流動下における肝細胞の力学特性を解明をめざすものである. 具体的には,肝細胞分離,注入プロセスに必須でありながら未解明のまま利用されているせん断流下における肝細胞に対する力学的特性を流体力学的な視点から明らかにする.これらの知見は,肝細胞分離・輸注移植操作中に肝細胞に働く流体力学的作用を適切に制御し,肝細胞の機能を維持し,より多くの肝細胞を取得するための効率的な,細胞抽出手法確立のために重要である. 当該年度においては,ラット肝臓組織から分離された肝細胞群を対象として,せん断を負荷することによる影響を評価することにより実験を行った.(A)せん断負荷は,細管を用い定常流を形成し肝細胞にせん断を負荷する細管せん断流付加装置,(B)回転するコーンプレートを用いる回転型剪断流付加装置を用い実施した.せん断負荷後の肝細胞の評価は,肝細胞取得数評価のための光学顕微鏡観察による細胞分離数・密度評価を中心に行い,ならびに細胞形状観察,細胞群形成様相による肝細胞の生存率に与える流体の作用の影響を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進行に関しては,継続評価を行っている実験項目もあるものの,当初の計画への達成度はおおむね順調である.
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今後の研究の推進方策 |
顕微鏡観察による細胞評価のみならずフローサイトメータなどを用いたより効果的な計測法を導入し,肝細胞灌流抽出の流動学的研究を推進する.
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次年度の研究費の使用計画 |
フローサイトメータ用の消耗品への支出が予測されるために多めに繰り越しており,当該年度実施していない大型動物を用いた実験も実施予定で有り,計画的に使用する.
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