昨年度は、EXCELによるFSを行い、申請時に作動媒体とした『水銀』では『液タービン駆動不可』を確認し、新たな作動媒体として『biphasic medium(NOVEC/水)』を創出した。また、装置試作を済ませた。本年度は、試作した液タービン発電器を用い、諸パラメーターが発電実効値に及ぼす影響を実験的に調べた。 先ず、『低沸点NOVECの気化』『NOVEC蒸気泡ウエークに作動媒体同伴』『同伴作動媒体の高運動エネルギーにより液タービン駆動』『水と熱交換でNOVEC蒸気の液化』『水が系外と熱交換』、以上の想定機構通り、半永久的に発電可を示した。 液タービン発電の実効値は、『冷却温度としてNOVEC沸点(34℃)を僅かに下回る30℃近傍』『作動媒体のNOVEC割合増』『NOVEC/低温熱源の伝熱促進』により向上する事を確認した。最適値については、理論的アプローチ先行がショートカットであり、『シミュレーター開発』など、今後も引き続き研究開発を進める。 NOVECは『高価(1万円/L)』であり、減量の一試行として、試作装置のデッドスペースへ『ダミーフィラー(粘土)』を導入した。その結果、発電器としての性能を低下させる事無く『減量可能』を確認できた。 また、本研究で開発した『液タービン発電』と『Team EXITが開発を進める他の廃熱発電技術群(熱電発電・圧電発電)』とを統合した『アセンブリー型発電器』を提案した。最後に、本研究成果を基盤に、中長期的なエネルギービジョンを示し、エネルギーサステイナビリティー具現のシナリオを提言した。
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