研究課題
・熊本大学衝撃・極限環境研究センターで容易に製造できるナノダイヤモンドと同センターでのみ発生可能な爆発衝撃波とを用いた革新的沸騰伝熱促進面を製作し、その面を組み込んだ自励振動型ヒートパイプ型熱交換器を製作した。研究室で製造したナノダイヤモンドを用いたナノ流体を製作した装置の作動媒体に使用した。この装置を使用して高熱流束加熱を行った際の伝熱性能を検討した。・上記で製作した沸騰伝熱面上の沸騰現象を可視化するために、高速ビデオカメラ(1秒間に2000コマ)を用いて、気泡の動きを精緻に観察した。また、ナノダイヤモンドを爆発衝撃で伝熱面に浸透させた断面の観察も行いった。装置を用いて得られた結果を以下にまとめる。・ナノダイヤモンドを爆発衝撃で伝熱面に浸透させて断面画像(SEM画像)を撮影し、ナノダイヤモンドが伝熱面内に浸透していることを確認した。この部分は熱伝導率が極端に高い部分であり、伝熱面表面での気泡形成に大きく影響する(沸騰伝熱が促進)ことが分かった。この伝熱面を組み込んだ自励振動型ヒートパイプ型熱交換器の加熱部は、沸騰伝熱が促進されていることが温度計測結果で確認された。即ち、加工を施さない伝熱面を用いた実験では、加熱部の表面温度が加工を施したものと比較して上昇することが観測された。熱流束を増加させた場合、加熱部の表面温度も増加するが、その傾向は伝熱面に加工を加えた場合では、小さいことが分かった。一連の実験結果から、ナノダイヤモンドを用いて爆発衝撃で加工した伝熱面を用いた場合、沸騰伝熱は促進され、その機構を組み込んだ自励振動型ヒートパイプ型熱交換器の伝熱性能は向上した。したがって、研究実施計画で考えていた事項を達成できた。
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International Journal of Air-Conditioning and Refrigeration
巻: Vol. 22, No. 1 ページ: 1-6
International Journal of Energy and Engineering
巻: 3 ページ: 202-208