温度勾配によってガス分子が移動するソーレ効果を活用した水素分離デバイスの研究開発を実施した。具体的には水素と二酸化炭素の混合ガスをマイクロチャンネル内を通過させ、流れと垂直方向に温度差を印加し水素を濃化させる手法である。前半2年間ではMEMSプロセスを用いてシリコン基板とガラスを用いたデバイスを作成し、分離を2段化することで温度差80℃で0.8%の水素濃縮ができた。最終年度では濃縮を進めるため装置をステンレス化して300℃まで温度差をつけ、分離を3段化して1.22%まで濃縮できた。以上からソーレ効果および多段化の有効性は実証できたが、未だ実用的な濃縮とは言えず今後の新展開が望まれる。
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