市場にある製品全般について言えることであるが,求められる機能を持つことは当然として,競合する製品との差別化のために,高い質感が要求されている.本研究では,高い質感をもつ製品素材の開発に資することを目標に,陶器や半透明プラスチックなどの散乱性媒質を対象に,それらの透明感に影響することが確実視される,媒質の光物性や形状の影響を定量的に調べた.ここでは,平板状の散乱性媒質として,その透明感に与える光学厚さ,幾何学厚さの影響をサーストンの一対比較法を適用して定量評価した.その結果,透明感を強く知覚する光学厚さが存在することが明らかとなった.
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