研究課題/領域番号 |
24656161
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
繁富 香織 北海道大学, 情報科学研究科, 博士研究員 (90431816)
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研究分担者 |
尾上 弘晃 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30548681)
神谷 厚輝 (財)神奈川科学技術アカデミー, バイオマイクロシステムプロジェクト, 研究員 (70612315)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 微細加工 |
研究概要 |
本研究は、我々がこれまで行ってきた微細加工技術を用いて作製されたハンドリング可能なマイクロプレートを用いて、ハンドリング可能な均一径ジャイアントリポソームの作製し、リポソームとリポソーム間、リポソームと細胞間のペアリングを実現する技術である。初年度である平成24年度には、特に下記の2つの項目の計画をにおいて実験を行い、成果を得た。 (A) 微細加工技術技術により磁場によりハンドリング可能なマイクロプレートを作製:微細加工技術を用いて、ハンドリング可能なマイクロプレートの作製することができた。マイクロプレートは、透明であるパリレン樹脂で作製することにより、マイクロプレート上に脂質をパターンしリポソームを作製する際に、顕微鏡下で観察することが可能であった。また、作製したプレートは、マイクロマピュレータを用いて、簡単にガラス基板から剥がし簡単に移動することができ、プレート内に磁場を挿入した際に、磁場によりハンドリング可能であることが示唆された。 (B) マイクロプレート上に均一径のジャイアントリポソームを作製し、ハンドリング技術の確立:作製したマイクロプレート上にジャイアントリポソームを作製するために、脂質のパターンを作製することに成功した。その後、リポソームを作製することにも成功した。脂質の厚さを変えることが様々な大きさのリポソームが作製されるため、脂質の厚さを調整することが重要であるということがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度では、磁気入りのハンドリング可能なマイクロプレートを作製するにあたって、パーマロイをスパッタする予定であったが、24年度途中から移動した大学でのスパッタ装置の使用準備に時間がかかってしまい、磁気入りのマイクロプレートを作製することが出来なかった。しかしながら、スパッタ装置の使用準備が整ったので、平成25年度では、ハンドリング可能な最適なパーマロイの大きさ、パターンを決定する。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に引きつづき、磁気入りのマイクロプレートを作製し、プレート上に均一径のジャイアントリポソームを作製し、さらに、下記の2点の項目について達成する。 (C) プレートを折り畳む事で、プレー上に作製されたリポソーム同士、または、リポソームとプレート上に培養した細胞のペアリング方法を確立:マイクロプレート技術を応用し、プレートを磁場により起き上がらせることにより作製したリポソーム間の簡単なペアリングを実現する。同一基盤状に大量のリポソームをペアリンスする事が可能になる。さらに、プレート間の幅を調整することで、ペアリングの面積やリポソーム間の距離を変える事が可能になる。また、ペアリングの一方にリポソームを作製する代わりに、プレート上に細胞を培養する事で、リポソームと細胞とのペアリングを実現する事が可能である。 (D) デバイス評価と膜タンパク質解析への応用検討:プレート上に作製されたジャイアントリポソームに、分担者である神谷がこれまで確立したプロテオリポソームの方法を用いて、膜タンパク質(カドヘリン、コネキシン)を再構築する。リポーソームまたは細胞と結合させギャップジャンクションを通して、一方のリポソームに閉じ込めた蛍光物質がもう一方のリポソーム、または細胞に輸送が行われるかを確認する。ジャイアントリポソームは、その大きさから直接顕微鏡下で観察できることが利点で、蛍光の輸送の変化をリアルタイムに観察する事が可能である。
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次年度の研究費の使用計画 |
磁気入りマイクロプレートのハンドリングのために、ヘルムホルツコイル (日本ニュニバーサル特注 1台 )300 千円、直流電源 (Takasago KX-100H 1台) 200千円を購入予定。残りの研究費については、消耗品に使用予定。
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