研究課題
挑戦的萌芽研究
24年度は、SIGGRAPH Emerging Technologiesという世界最大のコンピュータグラフィクスとインタラクション技術の国際会議のデモ展示に採択されたため、デモ展示するための機構の試作と制御の優先順位を上げて研究を進めた。その結果、機構のデモ展示を中心に、機構の試作、力制御、研究を進めることとなった。デモ展示では、提案機構を用いたぬいぐるみロボットを制作し、3次元距離画像カメラを用いて周囲の人の姿勢を計測し、目の前の人を注視したり手を伸ばしたりすることで注意を引き、人々の接触を引き出すことに成功した。接触後も動作を続けることで、利用者に触感を提示することが実現できた。機構の試作では、可動域の大きな回転3自由度を持つ6本糸駆動の布と綿からなる機構を作成した。また糸長と機構の姿勢を計測し対応表を作成することで位置制御を実現した。糸張力を計測し、インピーダンス制御を行うことも試みたが、糸の摩擦の影響で力計測のヒステリシスが大きくコンプライアンスを大きく取ることは難しかった。コンプライアンスを高くするためには、ファブリック素材機構に加わる外力を機構の根本で計測するなど、新たな力計測手法が必要だと考えられる。シミュレーションについては、変形を扱う有限要素法のシミュレータを開発した。現時点では扱える変形は非線形が無視出来る微小変形にとどまるので、今後大変形に必要な剛性行列のリアルタイム更新部分の開発を進める。
2: おおむね順調に進展している
デモ展示するための機構の試作と制御の優先順位を上げて研究を進めた。このため、計算機モデルの作成とシミュレーションについては24年度内に完成させることができなかったが、機構の試作と制御については予定より早く実現することができた。
25年度には、24年度に完成させられなかった有限要素法による変形シミュレーションを完成させるため、剛性行列計算を高速化し、リアルタイムに更新する仕組みを開発する。また、布、綿の有限要素モデルを作成し、機構をシミュレータ上で表現できるようにする。また、有限要素法のパラメータを校正するため、柔軟機構上の多数の点の変位を計測する仕組みを作成する。
該当なし
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