研究課題/領域番号 |
24656164
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
長谷川 晶一 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10323833)
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キーワード | 柔軟機構 / ファブリック / インピーダンス制御 / シミュレーションモデル |
研究概要 |
柔軟機構のシミュレーションについては実時間性を重視して、コンピュータグラフィクス分野でリアルタイムシミュレーションに用いられ、有限要素法より高速な、Shape Matchingという手法の適用を検討している。柔軟物のシミュレーションを高速に実現できることを確認したが、物理特性に応じたパラメータ設定手法が確立していないため、検討を続けている。シミュレーションモデルの評価までは到達できなかった。また、機構の挙動を説明するための簡便なモデルも見つかっておらず、新たな機構の設計の難しさは解消してない。 機構制御については、昨年度できなかったインピーダンス制御を、2自由度の力センサを機構の根本に配置するように変更することで実現した。これにより、柔軟機構自体の柔らかさを活かしつつ、制御による柔軟な加重や運動を付加することができた。例えば、非常に弱い力を加えるだけで、人の手の動きに合わせて動くことができる。 昨年度のSIGGRAPHの展示を初め、国内の展示会・学会等でも展示・発表を行ったところ、国内外の研究者・企業から研究等への利用の打診があった。しかしながら、現状では我々による手作りにより作成しているのため製作に手間が掛かり過ぎ、簡単に提供することができない。また、利用しているモータが高価であるため、多自由度の機構では費用がかさむ。このため、現状では、多くの研究者にロボットを提供することは難しい。また、柔軟部分は用途ごとに異なる形状や機構が求められる。そこで、駆動部を安価に頒布できるユニットとして設計し、安価に頒布できる設計と製作体勢を整えてたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有限要素法とは定式化が全く異なるShape Matchingという手法が有望に見えるため、そちらを検討しはじめたため時間がかかっている。 また、機構自体の有用性に注目が集まっているため、機構をロボット研究者に提供できるようにすることも重視している。このため当初の計画自体の実施はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
ファブリックからなる柔軟機構のシミュレーション手法と、機構を説明するモデルはどちらも重要な課題だと考えているので、着実に進めていきたいと考えている。 一方で、機構自体の可能性の検討は、我々が行うよりも、機構を頒布することで利用法が発見されることを期待するほうが良いと考えている。こちらは、時期も重要だと思うので、26年度中に頒布できるようにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
翌年度行う予定の試作を一部今年度に行ったため、試作に必要なモータなどの材料費が増加した。そこで、翌年度分を一部前倒ししたが、実際には予想より若干試作が遅れ残額が発生した。 予定通り試作を続ける。
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