ファブリック機構の設計支援のためのシミュレーションでは、リアルタイムシミュレーションのためにShape Matchingを利用することを検討した。既存のShape Matchingでは物性から変形特性を定めることができないため、有限要素法と数式レベルでのシミュレーションアルゴリズムの比較を行った。アルゴリズムが大きく異なるため、数式を比較して対応を求めることは困難であることが分かった。そこで、まず、Shape Matchingを何らかの物理モデルのシミュレーションとみなすことができないか検討しており、有望なモデルを検討している。今後、Shape Matchingを説明できることを確認した上で、有限要素法などの既存手法と比較し、物性から変形パラメータを定める手法を研究したい。 ファブリック機構とその制御技術については、位置制御に加えて力制御を実現することができ、力制御のゲインを調節することで、ぬいぐるみロボットの印象を変化させることができた。また、機構と制御については、利用したいという問い合わせを数多く受けている。これに対応するため、モータと減速機を含む駆動部と制御回路・ソフトウェアを安価に頒布できるユニットとして実現することを目指している。ユニットの実現に必要な静粛で安価な減速機の検討を行い、有望な減速機構の見当を付けることができた。今後、設計を進め、配布可能なユニットを完成させたいと考えている。
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