触媒反応を利用したケミカル・ロコモーションは,マイクロ・ナノスケールの表面力が支配的となるという特異的な現象に基づいた興味深い移動形態である.この現象を利用して,自律型マイクロ・ナノロボットを構築するためには,(1)高精度かつ大量繊細性を有した作成プロセスの確立,(2)推進特製の定量的な評価と理論構築,(3)ロボットの形状依存性の解明と最適設計,が重要な課題である. 本年度は,昨年度の実績に基づいて,白金を用いたマイクロ・ナノ構造体駆動性能に関して,溶液濃度,構造体の表面粗さ,黄道帯の形状依存性について検討した.また,自在に構造体を移動させるために,溶液中の温度と移動速度の関係について明らかにした.
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