| 研究課題/領域番号 |
24656174
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| 研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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| 研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
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研究代表者 |
櫻沢 繁 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (40325890)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | BZゲル |
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| 研究概要 |
本研究の目的である「化学知能ロボット」の開発のために、平成24年度の計画は、化学ロボットの移動の機構の解明と再現性の確保であった。移動の機構を解明するために、以下の実験を行った。
まず、化学ロボットの移動には床との接地状況が大きく関わっていると考えられることから、それらの関係を具体的に調べるために、①ガラス ②すりガラス ③表面に細かい傷をつけたテフロン板 ④テフロン板 の4種類の素材を用いて実験を行った。①から③の条件ではゲルが床に密着してしまった。④の条件では、ゲルは床に密着することはなかった。それらの結果より①から③の条件では、化学ロボットの移動に必要だと推測される不均一な摩擦の生成は難しいため、④の条件が最も化学知能ロボットを実現するための条件に適していると考えられた。
次に、ロボットはBZ反応周期に合わせておこる膨潤-収縮振動で移動するため、ロボットの移動とBZ反応の周期は大きく関係していると考えられる。そのため、その移動とBZ反応の周期の関係を調べた。BZ反応基質溶液に含まれるマロン酸・臭素酸ナトリウム・硝酸の各濃度を変えて実験を行った結果、各溶液の濃度が低くなるほど、化学ロボットのBZ反応の周期は遅くなった。マロン酸と臭素酸ナトリウム溶液の各濃度が適切ではないと、膨潤-収縮振動の回数がロボットの移動に必要な回数に到達する前に発生した二酸化炭素によってゲルが浮いてしまった。また、溶液に含まれる硝酸の濃度が高すぎるとゲルが変形してしまい、床との接地状況が適切な摩擦を生み出せなかった。
ゲルの合成条件はゲルの柔らかさやBZ反応基質のゲル内への取り込みやすさなどの性質に関わっているため、合成条件とロボットの運動の関係を調べた。その結果、架橋剤と開始剤の多いゲルの方が、ロボットの移動を生成しやすかった。
以上の結果より得られた条件下で複数の化学ロボットが移動を見せた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化学ロボットの移動の条件は想像以上に複雑であった。移動現象を再現性は当初に比べて格段に上がっている。その条件調査の過程で、ガスの発生、ゲルの組成と床の素材の関係、床の平面性、摩擦、温度の均一性など、多数の重要因子を洗い出すことができた。この点においては確実に研究は進んでいるが、もう少し不確定な要素が残っている。その点において、やや遅れていると言わざるを得ない。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き再現性確保のための条件洗い出しを続け、ロボットの移動、および狭い空間に侵入したとき、そこから抜け出す現象を再現する。そしてこれを論文誌に投稿する。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
ほとんどすべて実験のための消耗品に使用する。
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