本研究では、生物の代謝の基本的な要素として最もシンプルな循環化学反応を用いて、環境を識別して運動方向を変える知能性を持つ、化学知能ロボットをデザインすることを目指した。開発されたBZゲルは、BZ反応溶液中のテフロン板の上で蠕動運動によって移動できることが明らかとなった。更に狭空間に進入すると方向を転換して脱出した。次に、このようなゲルが、ナノレベルのコロイドとなって無数に集まって相互作用するとき、協同的な振る舞いをみせることが明らかとなった。環境との相互作用による状態変化とそれに応じた拡散運動のカップリングは、インテリジェントゲルロボットの開発において重要な特徴であると考えられる。
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