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2012 年度 実施状況報告書

パルス高電圧印加による温帯果樹の生育制御に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24656191
研究機関佐賀大学

研究代表者

猪原 哲  佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90260728)

研究分担者 寺東 宏明  佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (00243543)
山根 久代  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (80335306)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードパルス高電圧 / 温帯果樹 / 生育制御
研究概要

本研究では,気候変動に対応して人為的な休眠打破を含めて,温帯果樹の生育制御技術として,パルスパワー技術を適用することを検討している。本研究では,温帯果樹として桃を選択し,パルスパワーが休眠打破や生育に与える効果を実験的に調べることを目的としている。平成24年度は,モモが深い自発的休眠状態になる期間(10月~12月)を中心にして,パルスパワー印加効果を時期を変えて実験的に発芽率を調べた。
実験試料としてモモ(Prunus Persica,品種:清水白桃)を用いた。枝の葉を除去して枝のみの状態にした後,その枝を7 cmの長さに切断して枝試料とした。電源として,キャパシタとパルストランスを用いたパルスパワー電源を用いた。電極は直径3 mmのステンレス製である。この電極の一端は円形になっている。この電極がアクリルパイプに挿入されている。さらに枝試料をアクリルパイプに挿入し,電極を枝試料の端面に接触させた。印加電圧は5, 10, 15, 20 kVの4条件とした。枝試料は,各印加電圧ごとに10本用いた。
実験結果として以下のような結果が得られた。休眠が深くなっていく時期(7月から9月)では,パルスパワー印加とコントロールとの間で発芽率の差は大きくなっていき,逆に休眠から覚醒していく時期では(11月から翌年1月),パルスパワー印加とコントロールとの間の差は小さくなっていくことが分かった。このような結果になった原因については検討が必要であるが,一因として,パルスパワー印加によって,遺伝子レベルで発芽に適さない条件下にあると判断されたために発芽が抑制された可能性が考えられる。ここで示した結果は,パルスパワー印加による発芽の抑制を示唆するものであり,当初期待していた結果とは逆の結果になった。今後は,印加条件を変えた実験と,遺伝子解析による比較を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた実験計画はおおむね遂行できた。得られた結果は,当初期待していた結果とは逆の結果になったが,平成25年度には印加条件を検討し,最適な条件を探索すれば期待できる結果が得られるものと推測している。

今後の研究の推進方策

平成24年度に得られた結果は,当初期待していた結果とは逆の結果となった。今後はその原因を十分考察することが必要であるが,おそらく高電圧パルスの印加条件が最適な点から大きくずれていたことが考えられる。印加条件として,電圧値,パルス幅,印加回数がある。得られた発芽率のデータとこれらの条件設定を検討して最適な条件を推測し,その条件の下で,7月からのモモの腋芽の発芽で予備的な実験を試みる。その結果を踏まえて,10月からの休眠打破の実験に取り掛かる予定である。また,同時に遺伝子解析を行い,主にDAM6,DAM5の発現を観測してパルス印加の効果を検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は,印加条件の検討結果にもとづいて,パルスパワー電源の設定条件の変更が必要になるため,そのための回路部品などを購入する。遺伝子解析を行うため,そのための試薬,器具,容器などの購入を行う。学会発表のための旅費(1回あるいは2回),打ち合わせ会議(1回あるいは2回)のための旅費を支出する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] パルスパワーによる 温帯果樹の生育制御に関する基礎的研究2013

    • 著者名/発表者名
      猪原 哲,大江 和也
    • 学会等名
      電気学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20130320-20130322

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公開日: 2014-07-24  

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