本研究では,大気圧放電プラズマが植物の栽培過程に及ぼす影響を調査することを目的とする。研究では主にモデル植物とされるシロイヌナズナを用いた。シロイヌナズナの種子に春化処理を施した後にプラズマジェットを照射することで発芽後の生長促進が現れる。一方,発芽後の葉にプラズマ照射すると,照射された葉の部分だけが枯れた。葉のクロロフィル蛍光の測定より,プラズマ照射により光化学系Ⅱの最大量子収率が減少していることが確認された。また,葉の表面の元素分析より,プラズマ処理された葉からは細胞中の無機塩類が検出されたことから,プラズマ照射により細胞壁が壊され,ネクローシスが起きていることが示唆された。
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