研究課題
グラフェンは高い移動度をもつことから次世代の電子デバイス応用に期待が高まっているが、バンドギャップが0であるため、これをトランジスタのチャネルに用いると両極性動作を示し、ドレイン電流のオン/オフ比が小さいという問題がある。本研究では、半導体コンタクトを用いることにより、グラフェンチャネルトランジスタのオン/オフ比を改善して、論理素子への応用を可能ことを目的としている。平成24年度はソース・ドレインのドーピング濃度を変えてグラフェンチャネルトランジスタを作製し、単極性の電流―電圧特性が得られることを確認した。しかし、オン/オフ比は1桁程度であった。平成25年度は、SiC上に高温アニールで形成したグラフェンに、さらに水素アニールを施すことによって、SiCとグラフェンとの間のバッファ層を除去し、良質な2層グラフェンを形成することに成功した。またゲート絶縁膜となるAl2O3膜を様々な原料を用いて行い、不純物が少なく良好な界面特性が得られる形成条件を検討した。これらの結果を用いてグラフェンチャネルトランジスタを作製し、オンオフ比3桁以上の単極性の電流-電圧特性を得ることに成功した。以上により当初の目的を達成した。
すべて 2013
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Appl. Phys. Lett.
巻: vol.103, No.22 ページ: 223503-1-4