電波と光波の境界領域の周波数(0.1-10 THz)をもつ未開の電磁波テラヘルツ波においては,余計な電磁波を吸収し,システムを安定させるのに不可欠な電磁波吸収体が実用化されていない状況である.本研究では,波長のわずか五分の一の厚さをもつフォトニック結晶でテラヘルツ波を捕獲・吸収するという独自のコンセプトを実証するとともに,捕獲したテラヘルツ波とシリコンフォトニック結晶中の自由キャリアとの効果的な相互作用によって,最大吸収率99%以上,中心周波数の17%という広い90%動作帯域をもつ平面薄膜テラヘルツ波吸収体が実現できた.
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