研究課題
本研究開発は簡易な磁性体素子にて電気信号をスピン波の伝播に変換することで、従来の伝送方式のような電荷の移動を伴わない、すなわち発熱を全く伴わない超低消費電力型の新規な無発熱超高速有線伝送技術を提案するものである。超小型スピントルクスピン波ジェネレータとディテクタおよび強磁性酸化物絶縁体配線を組み合わせることで簡素かつ発熱フリーの革新的な無発熱有線伝送技術を構築することを目的としている。本低消費電力・無発熱スピン波伝送システムを創製するためのスピン波伝搬配線の探索研究として、本プログラムではコプレーナ線路上の強磁性酸化物絶縁体を開発することおよび最適な微細加工プロセスを確立することを目的として研究を行った。本年度はFe系酸化物薄膜中のFeの電子状態(磁気構造)を明らかにする.ことを目的として、まずスパッタ法で作製した膜厚140nm、基板温度700℃の条件で作製されたFe系酸化物薄膜の57Co線源を用いた室温における反射型メスバウアー効果の測定を行った(57Co線源新規購入)。又、現有の薄膜作製装置に基板冷却マニピュレーター(新規購入)を取り付け、低温での成膜を行い膜構造と磁気特性の評価を行った。さらに、現有の電子線リソグラフィー装置及びミリング装置を用いてFe系薄膜の微細加工の際の加工条件を割り出した。
すべて 2013 その他
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Appl. Phys. Exp.
巻: 6 ページ: 073007 1-3