研究課題
(1) 連続時間RF IIR・FIRフィルタ技術の開発を目標とした.インバータ特性の時間領域シミュレーションを行い,0.5V電源電圧でコーナー条件を変化させた場合,遅延時間が約10倍ばらつくことがわかった.時間デジタル変換器(TDC)を90nm Si CMOSプロセスで設計し,遅延ばらつきデジタル校正技術の要素技術を開発した.ビヘイビアモデルを用いてバンドパスLNAの基礎検討を行い,目標とした高次のバンドパス特性実現の見通しを得た.(2) 注入同期リング発振器技術として,バンドパスRF IIRフィルタを応用した新規発振器によって注入同期PLLで問題となるスプリアスを低減させる手法の開発を目標とした.注入信号の低周波成分を高域通過フィルタによって削減することによって,発振信号近傍に現れるスプリアスを低減する新規回路技術を開発した.(3) トランシーバアーキテクチャ・変調方式の検討を行った.トランシーバ構成を単純化できる変調方式としてOn-Off Keyingを採用し,トランシーバの低電力化のためにUncertain-IF Architectureを採用した.初期検討としてキャリア周波数は5GHz帯とし,レベルダイヤグラムを計算し-74dBmの受信感度が得られる見込みを得た.
1: 当初の計画以上に進展している
(1) 連続時間RF IIR・FIRフィルタ技術:研究実施計画に記載した目標を達成することができた.(2) 注入同期リング発振器技術:研究実施計画に記載した目標を達成した.さらに,トランジスタレベルの設計・シミュレーションにより提案技術の有効性を実証することができ,計画以上の成果が得られた.(3) トランシーバアーキテクチャ・変調方式の検討:研究実施計画に記載した目標を達成した.Uncertain-IF受信機のトランジスタレベル設計を行い,消費電力57uWで受信感度-74dBmの見通しを得ることができ,計画以上の成果が得られた.
(1) 連続時間RF IIR・FIRフィルタ技術:RF DACとベースバンド(BB)フィルタの開発を目指す.RF DAC出力信号の隣接チャネル電力比改善のために本研究の遅延ベースFIR/IIRフィルタ技術の活用を検討する.コムフィルタ技術を用いてBB信号に含まれる高次成分を減衰させる小面積BBフィルタ回路技術等を研究する.(2) 注入同期リング発振器技術:水晶発振器レス化のために受信信号をPLL注入同期信号に用いる手法を研究する.LNA出力信号をインバータでrail-to-railに変換してPLLに注入する方法を検討する.QPSKといった多値変調信号の場合,同期信号生成のために位相比較を用いる新規手法の開発を目指す.受信変調信号の位相変化部分を回避するために,遅延信号との自己相関を用いる技術を検討する.開発したLNA・発振器と水晶発振器レス化技術を組み合わせ,位相雑音等のトランジスタレベルシミュレーションを行う.必要があればLNAと発振器の設計をブラッシュアップする.(3) トランシーバアーキテクチャ・変調方式の検討:集大成として,要素回路を統合しトランシーバの構築を目指す.22nmプロセスで100um角が目標であるため,180nm CMOSプロセスで818um角 (100um / 22nm×180nm角)を目標とする.スケマティック設計において,Verilog-AMS等で要素回路をモデリングしMixed-Signal解析によりトランシーバ全体での動作検証を行う.試作後のデバックのために外部Local入出力機能を含める等の工夫をする.
該当なし
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