研究課題/領域番号 |
24656226
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
竹村 泰司 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (30251763)
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研究分担者 |
山田 努 横浜国立大学, 工学研究院, 助手 (70251767)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | がん温熱治療 / 共振回路 / 共振周波数 |
研究概要 |
臨床用磁気共鳴画像診断装置(MRI)を用いて癌組織の殺傷に十分な発熱を生じる共振回路インプラントを試作し、磁性体を含まないインプラントにおいて、その発熱上限を制御するとともに、体内の浮遊容量で変動する共振周波数をMRIのRF周波数に同調する手法を確立することを目指す研究である。非磁性熱収縮ポリマーをコイルコアに採用、温度上昇によるインダクタンス変化により共振周波数を変化させ、共振回路インプラントの発熱抑制が可能なことを示すことを研究目的とする。 平成24年度は、1.RF磁界で発熱する共振回路の作製、及び2.熱収縮ポリマーのコイルコアへの実装とインピーダンスの温度依存測定、以上2項目の研究を実施した。以下に研究内容と得られた結果を示す。 1.RF磁界で発熱する共振回路の作製:発熱インプラントとして作製した共振回路は、コイルとコンデンサを閉接続した単純な構造である。このコイルを鎖交するように交流磁界を外部から印加した場合、コイルには交流起電力が誘導され、交流電源を挿入したのと等価となる。これにより回路には電流が流れ、残留抵抗分が発熱する。最も普及している1.5 TのMRIのRF周波数は63.8 MHzであり、これに同調するL、Cで共振回路を構成した。 2.熱収縮ポリマーのコイルコアへの実装とインピーダンスの温度依存測定:MRI中では磁性体を使用することはできないために、これまでは空芯構造であった。本課題では、熱膨張係数の大きいポリマーを主成分とするコイルコア材を試みた。ポリマーをコアとしたコイル、及び共振回路のインピーダンスを測定し、その温度特性等から熱収縮ポリマーを選定し、その共振回路構造及びポリマー形状の最適設計を行った。その結果、共振回路インプラントの自律的制御が可能であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度において当初計画とおりに研究遂行しており、また得られた成果は学術的にも意義があり、期待されるレベルにあると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画とおりに、熱収縮ポリマー・コイルコアを用いた共振回路の発熱特性の評価を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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