研究課題/領域番号 |
24656227
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | カーボンナノチューブ / 歪センサ / 抵抗変化 / ウエアラブル |
研究概要 |
低侵襲化による常時体着可能であることに加え、人体の大きな動作に繰り返し追従する大歪・フレキシブル・繰り返し耐久性を具備した新しい歪センサが強く求められている。本研究の目的は、本研究グループが開発した数十m以上に容易にウエブ化することのできるカーボンナノチューブ(CNT)を用いて、異方性CNTシートを作製、これを用いて高速応答ウエアラブル大歪センサの開発を行うことである。最終目標値は、歪率300%、応答性10msec、繰り返し耐久性1万回以上である。平成24年度は、まず異方性CNTシートを用いた歪センサの製作プロセスを開発した。ガラス基板上にラテックスを塗布、その後CNTシートを張り付け、次に導電性接着剤を塗布する方法で、CNT歪センサを製作した。このCNT歪センサの引っ張り時(伸長)、および無負荷時(収縮)の抵抗変化を測定した。結果、歪率100%で約2500オームから約5000オームと約2倍の抵抗変化が得られることが分かった。抵抗が変化(上昇する)する理由は、CNTの伸長によりCNTの連結部が開列するためである。また、収縮により高速に再組織化して抵抗が元に戻る。そしてこの現象は安定した繰り返し特性を示す。人のひじにこのセンサをつけて、ひじの曲りの検知を試みた。結果、このセンサで人のひじの曲り情報を検知できることが分かった。これにより、異方性CNTシートを用いた歪センサは、人体の大きな動作に繰り返し追従する大歪・フレキシブル・繰り返し耐久性を具備した新しい歪センサに応用可能であることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
達成度90%。 本研究グループで開発した容易にウエブ化することのできるカーボンナノチューブ(CNT)を用いて、異方性CNTシートを作製、これを用いて歪センサを試作し、歪による抵抗変化を測定した。また、このセンサを人にひじに取り付けひじの曲りの検知を試み、このセンサで人のひじの曲り情報を検知できることが分かった。これにより、異方性CNTシートを用いた歪センサは、人体の大きな動作に繰り返し追従する大歪・フレキシブル・繰り返し耐久性を具備した新しい歪センサに応用可能であることが分かった。しかし、まだ歪率、応答性、繰り返し耐久性の評価を行っていない。そこで達成度90%とした。
|
今後の研究の推進方策 |
歪率300%、応答性10msec、繰り返し耐久性1万回以上を達成するため、最適な弾性マトリクス樹脂の選定を行う。弾性マトリクス樹脂変化させ、センサを試作し、歪率、応答性、繰り返し耐久性を測定する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|