長尺紡績MWCNT配向シート(以下CNTシート)と高分子弾性樹脂から形成される新規ストレッチャブルMWCNT動歪センサ(以下CNT歪センサ)に関する研究を行った。CNT歪センサの弾性率は数MPaであり非常に柔軟な素材である。性能面では、100[%]以上の大きな歪を検出可能であり、歪に対する抵抗変化のリニアリティが高く、歪に対する抵抗変化の割合を示すゲージファクター(GF)が金属歪ゲージと比較して大きく高感度であり、繰り返し耐久性すなわちロバスト性が高いといった優れた特徴を持つことを示した。 金属歪ゲージに比較して、歪で20倍以上、GFで5~10倍である。繰り返し耐久性は18万回以上であることを確認し、耐久面からも実用可能性を示唆した。 さらに、ヒトの体にフィットするコンプレッション生地とCNT歪センサを一体化させ、ウェアラブルセンサを試作した。実際にヒトの関節部位にCNT歪センサを配置し、ヒトの繰り返し動作計測が計測可能であることを確認した。今後、インダストリー展開を見据え、量産性を考慮した製造プロセスを開発することで多くのアプリケーションへの展開が期待される。
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