500℃という高温でも動作可能な紫外線検出器は、発電・化学プラントのモニタリングやエンジンのリアルタイム燃焼制御用のセンサーなどに貢献しうるデバイスである。現在、光センサーに用いられているシリコン(Si)は禁制帯幅が1.12eVと小さいため200℃を超える動作は不可能である。本研究ではSiに比べて3倍の禁制帯幅、3.26eVを有する炭化珪素(4H-SiC)を用いて高温動作可能な紫外線検出器の実現を目指した。検出器の設計に必要なSiCの屈折率や光吸収係数などを明らかにし、また、検出感度低下の原因となるリーク電流の低減方法を確立し、500℃で動作可能なSiC光検出器の試作に成功した。
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