グラフェンを材料とし、歪み、光照射、交流電界、スピン等を素子制御機構として用いた新規素子を提案し、そのシミュレーションによる特性解析を行った。中でも代表的成果として、グラフェンに局所歪みを印加した事によって歪み/無歪み界面に発生する擬似的な磁場を電界効果トランジスタ(FET)の制御に応用した素子を提案し、その特性の理論的予測を行った。その結果、実験的に印加可能な10%以下の小さな歪み印加によって、バンドギャップが存在しないにも関わらず従来のFETを超える急峻なスイッチング性能が得られ、それによる低消費電力化が可能である事を明らかにした。
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