室温でマグノン系にボーズアインシュタイン凝縮が発生する事が光散乱実験により報告されている。この非線形緩和過程を利用する新しいマイクロ波デバイスを開発する目的で、パラメトリック励起された強磁性マグノンからのマイクロ波放射を実験的に調査した。平行励起とスール1次不安定化過程による垂直励起により、強磁性体イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)のマグノン励起を行った。大電力励起下では、多くの周波数成分を持つ放射が同時に観測される。放射スペクトルは静磁場、つまり静磁モードに強く依存していることが分かった。また、放射の時系列データからも4マグノン散乱過程が放射機構に関与している事が明らかになった。
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