研究課題/領域番号 |
24656237
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山口 堅三 香川大学, 工学部, 助教 (00501826)
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研究分担者 |
藤井 正光 鳥羽商船高等専門学校, 電子機械工学科, 助教 (00413790)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 表面プラズモン / NEMS / 変調器 |
研究概要 |
近年、LSI技術と大容量光伝送技術を融合させた光電子融合技術が提案されている。研究代表者は、これまで直径数マイクロメートルのシリカ微小球によるウィスパリング・ギャラリー・モードを用いた微小変調器の開発に成功した。しかしながら、更なる高集積化・高機能化が切望されている。 表面プラズモン(Surface Plasmon: 以下、SPとする)は、光の回折限界以下の領域に光エネルギーを閉じ込めることから、光デバイスをCMOS回路と同サイズに小型化できる。このようなSP共鳴波長は、構造に依存するため、構造を自由に可動できれば共鳴波長も連動して変化する可変型単一ナノ光変調器として更なる高集積化・高機能化を実現できると考えた。そこで、NEMSアクチュエータで金属サブ波長格子を構成し、SP共鳴波長を電気信号で可変可能なアクティブプラズモンモジュレータ(Active Plasmon Modulator: 以下、APMとする)の開発を本研究の目的とした。 平成24年度から平成25年度の2年間の研究を計画し、SPとWoodの異常回折を用い、APMの基本技術の確立を目指す。そこで、本研究期間内に、(1) APMの光学現象の解明と、構造の最適化、(2) APMの作製及び評価光学系の構築と、その光学特性評価とした。さらに、APMを用いたフィルタや導波路、センサーへの新たな応用を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24年度からの2年間に、(1) APMの光学現象の解明と、構造の最適化、(2) APMの作製及び評価光学系の構築と、その光学特性を評価することとし、SPとWoodの異常回折を用いたAPMの基本技術の確立を本研究の目的とした。本研究期間内に明らかにする具体的な内容として、(I)数値計算による構造の最適化と、(II)新規ナノ光変調器(APM)の開発とした。 (I)について、数値計算における特定の可視及び通信波長帯域(1.55マイクロメートル)でのSPやWoodアノマリ共鳴を合致する構造(最適な金属の種類や金属膜厚、金属格子幅と金属間ギャップ幅)を検討し、決定した。 (II)において、(I)で検討した構造の作製と、可視光領域における電圧依存共鳴光学特性の可変化に成功した。 同時に、APMを用いたフィルタやセンサー、本要素技術を採用した導波路についてもそれぞれ検討しており、その具体的な可能性(製品化)も視野に入ってきた。さらに、ナノ光学領域においての光シャッターとしての光学特性を持つことを新たに明らかにした。なお、本研究の客観的な外部評価として、ナノオプティクスやナノフォトニクスの主要な近接場光学における国際会議(NFO12、CLEO-PR&OECC/PS2013、APNFO2013)で3件の口頭発表として採択、1件(The Best Paper Award:Japan-India Bilateral Seminar on Supramolecular Nanomaterials for Energy Innovation)の受賞と、3件((公)高橋産業経済研究財団、(公)カシオ科学振興財団、(公)立石科学技術振興財団)の研究助成による外部資金獲得からも伺える。
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今後の研究の推進方策 |
作製したAPMは、可視光領域における光学特性に留まっている。Woodアノマリ共鳴の可変化を始め、光ヘテロダイン検波を実験的に明らかにするには、赤外光領域での評価光学系の構築が必要である。今後は、既存の顕微分光システムを可視光領域から2.0マイクロメートル帯まで測定可能な拡張型顕微分光システムを構築し、その光学特性を評価する。 さらに、APMを用いた各応用技術としての基本光学特性を明らかにし、製品化を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費は、拡張型顕微分光システム構築と、平成24年度に得られた研究成果の発表と最新の情報収集に充てる。
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