(1) 多チャネルPLZT位相変調器ハイブリッド集積法の確立:ハイブリッド接続の損失の低減、反射減衰量の増大を目的として、テーパ導波路形状の最適化と斜め接続角度の最適化を検討し、最善の構造を明らかにした。ハイブリッド接続の信頼性を向上させ、基板間の熱膨張率差を低減し、紫外線硬化接着剤を利用可能とするために、石英導波路を形成する基板をシリコンから石英に変更することにした。併せて、石英基板上のアレイ導波路回折格子の作成条件を検討した。特に、将来の偏波無依存化を目指し、アレイ導波路回折格子の複屈折による偏波依存性を低減する作製条件を詳しく検討し、シリコン基板上と遜色のない特性を得ることに成功した。 (2) 任意の位相・振幅透過スペクトルを得るための位相シフタアレイ駆動方法の確立:石英スペクトル制御回路を用いて、振幅透過スペクトルを測定して、チャネル間の位相差を逐次揃えて平坦な位相スペクトルを実現するアルゴリズムを確立した。その結果、任意の透過スペクトル、位相スペクトル制御によるパルス遅延制御と分散量制御を実現した。また、光スペクトル制御回路の特性を評価するため、アレイ導波路回折格子のアレイ導波路の位相誤差測定系を構築した。本測定により、位相誤差が測定出来るので、光スペクトル制御回路の制御精度を見積もることが可能である。
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