研究課題
本研究では、様々なメディアを通して細粒度、リアルタイムの環境情報を低コストで収集し、そのデータをエネルギーマネジメントの観点から地域単位での空調制御へ応用することで快適性を確保したまま地域全体の消費電力削減を目指している。本年度は、多くの人が所有しているスマートフォンを通した参加型センシング、Twitterなどのソーシャルメディアに発信された情報からの環境情報取得、動物に取り付けたセンサを用いた長期間、広範囲の自然環境調査を想定し環境情報収集の研究を進めた。参加型センシングでは、世田谷区を対象に環境データを収集する実験を行い、収集したデータの視覚化や分析を進めた。ソーシャルメディアセンシングでは、リアルタイムに起こっているイベントを検知、識別を実現し、特定のエリアでの突発的な事象の発生を検出する基礎技術を開発した。動物を用いたセンシングでは、動物に取り付けた無線センサ機器同士がDTNと呼ばれるネットワークを構成するための基礎技術を開発した。特に、機器の電池寿命を延ばすために、動物同士の遭遇を検出したときのみ電源を投入する技術を実現した。また、センサデータをプライバシに配慮しながら提供するデータ摂動(Pertubation)技術を開発し、盗聴されても個々の値は復元できないが統計的な情報は復元できるセンサデータの提供を可能にした。これらのデータを空調制御へ応用するために、複数の情報ソースから得た温度データをデータベースに蓄積し、ルールに応じて家電機器を制御するセンサモニタリング及び自動制御ソフトウェアを開発し、気温などのデータに基づいてエアコンを制御するシステムを構築した。
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すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (23件) (うち招待講演 1件)
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