研究課題/領域番号 |
24656257
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
深野 秀樹 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (60532992)
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研究分担者 |
鶴田 健二 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (00304329)
田上 周路 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (80420503)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 光ファイバセンサ / 表面プラズモン共鳴 / 近赤外 / センサ |
研究概要 |
光ファイバを利用した表面プラズモン共鳴において、金属表面における大きな光位相変化を利用し,位相変化を,マルチモード干渉手法により極めて高感度に検出する,新しい検出手法による超高感度ファイバセンサの研究を行った。その共鳴波長のシフトを図り,これまであまり取り扱われて来なかった近赤外の通信波長領域での現象解明と新たなセンサ技術分野の開拓を図り,多様かつ高感度なバイオセンサや環境ガスセンサが従来の様なメカニカルな機構等なしに,超小型,安定,高精度に実現できるようにすることを目指した。本年度は,白色光源を利用して,広い波長域の光をセンサ部にファイバ入射し,吸光度の波長依存性評価に重点をおいて以下の研究を行った。 ①マルチモード干渉による高感度位相変化検出のために、センサファイバ部のマルチモード導波構造の設計と実験による評価を行った。 入力ファイバのコア径の細いファイバを導入し,入射端での回折増強によるマルチモード光生成効率の向上について調べた。また,出力ファイバのコア径も同様に,細いファイバを導入し,干渉光の選択性の向上を調べた。その結果,通常のシングルモードファイバのコア径8.2μmに対し,6.8μmのモード径のファイバを入出力ファイバに用いることにより,マルチモード干渉信号が急峻となり,干渉の山と谷が大きくなる状況を確認し,高感度化に有効であることを明らかにした。 ②共鳴波長の近赤外へのシフトを目的とした,金属種,および,構造に依存する表面プラズモン周波数変化の実験による評価を行った。金属種として,従来よく用いられる金に加え,銅,および,白金をスパッタ法により,ファイバ上に形成し,その吸光度の波長依存性が,スパッタ条件により,どのように変化するかを調べた。その結果,スパッタ条件により,近赤外の通信波長領域へ,吸光度が大きくなる領域のシフトおよび拡大が可能であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由)研究計画にあげた下記2つの項目を順調に実施,評価した。 ①マルチモード干渉による高感度位相変化検出のために、センサファイバ部の新規構造を含むマルチモード導波構造の設計と実験による評価。 ②共鳴波長の近赤外へのシフトを目的とした,金属種,および,構造に依存する表面プラズモン周波数変化の実験による評価と赤外化指針の明確化。
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今後の研究の推進方策 |
粒子径制御可能な化学反応による金ナノ粒子溶液作製と表面塗布に関する技術検討を加え,粒子サイズと共鳴波長の近赤外へのシフトの関係性を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に実施,評価した研究項目をまとめて,学会において発表するため,主に学会発表登録および旅費として使用する。また,実験に必要なファイバ等の消耗品を購入する。
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