前年度の研究成果に基づき,電波特徴量に基づくサポートベクターマシーンを用いた状態識別法・位置推定法を提案した.送受信機配置や,サポートベクターマシーンへの入力情報,学習(トレーニング)について検討した.事前に識別したい重要な状態(例えば転倒)のクラスを定義し,それ以外に歩行,静止等の状態も学習アルゴリズムを修正し,対応できるようにした. また,位置推定に関して,すべての位置で学習(トレーニング)することは,事前の手間がかかり望ましくない.そのため,位置関係(距離)と電波特徴量の相関を評価し,電波特徴量とその統計量を有効に使う方法について検討した.以上の検討に基づき提案する電波センサによる状態識別精度・位置推定精度を実験により評価した.実環境では,部屋の構造や人の違いなど,様々な要素が特性に影響を与えることが予想された.解決法として,複数人での学習を行うことにより,違う環境や,違う人の学習データでも,正しく識別できるようにした.また,位置についても,未学習位置の推定について,空間相関等を考慮したアルゴリズム検討した. 実験の結果,提案行動識別法は,学習データと環境や対象の違う場合にも,優れた行動識別率を達成することを確認した.また,提案位置推定法は,学習データと違う位置に人がいる場合にも,優れた位置推定精度を達成することを確認した.
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