本研究は、コンクリートの解体に適した化学物質を産生する微生物を遺伝子組み換えにより作成し、その菌を作用させることで、低コストで構造物を解体し、コンクリートをリサイクル可能な形に変える解体法の開発に挑戦したものである。解体の処理系として塩酸系、硝酸系の2つの酸生成系統を準備し、それぞれの系統での株を作成し、産生性能の確認を行った。しかしいずれの系でも意図したような培地pHの低下が観察されなかった。産生した化学物質を菌体外部へ速やかに排出する器官を設けるとともに、ベースとなる菌体に高い薬剤耐性が必要であることがわかった。
|