研究課題/領域番号 |
24656271
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鎌田 敏郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10224651)
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研究分担者 |
内田 慎哉 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70543461)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | モルタル / 非破壊試験 / 非線形超音波法 / 界面 / 波形 / ひずみ / 高調波 |
研究概要 |
本年度は,①「コンクリート対応型の非線形超音波計測システム」の試作および②基本モデルによるコンクリート中での非線形性に起因する高調波の計測方法について検討した。以下にそれぞれの検討で得られた成果の概要を示す。 ①「コンクリート対応型の非線形超音波計測システム」の試作:金属分野における汎用的な非線形超音波装置を,コンクリートへ適用できるように改良した。具体的には,コンクリート中における弾性波の減衰を考慮して,印加電圧を大きく設定できるようにした上で,入力周波数の帯域を低い周波数へとシフトし,かつ,周波数レンジも広くした。 ②基本モデルによるコンクリート中での非線形性に起因する高調波の計測方法:上記①で試作した装置を活用して,モルタルブロック(幅10cm×長さ10cm×高さ5cm)の供試体(基本モデル)を2体突き合わせた際に形成される界面が「受信波形」および「高調波成分の出現」に与える影響についての検討を行った。また,界面の接触状態にバリエーションを持たせるため,界面には接触媒質と滑石を主原料とするタルカムパウダーをそれぞれ介在させた。その結果,モルタルブロックの接触界面において,「受信波形のひずみ」および「高調波成分が出現」することを明らかにした。また,「高調波スペクトル強度比」は,接触界面における接触状態の違いにより変動する評価パラメータであることもわかった。したがって,非線形超音波法のコンクリート分野での適用可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画で示した①「コンクリート対応型の非線形超音波計測システム」の試作および②基本モデルによるコンクリート中での非線形性に起因する高調波の計測方法について検討し,概ね想定した結果を見出すことに成功している。
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今後の研究の推進方策 |
試作した「コンクリート対応型の非線形超音波計測システム」を用いて,①コンクリートと内部鉄筋との界面の接触状況の評価,②既存コンクリートと断面修復材との打継界面の付着状況の評価手法について検討をする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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