研究課題/領域番号 |
24656275
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00156712)
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研究分担者 |
斎藤 隆泰 群馬大学, 理工学研究科, 准教授 (00535114)
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キーワード | 超音波シミュレーション / 境界要素法 / 面外波動 / CQ-BEM / ACA-BEM / 超音波非破壊評価 |
研究概要 |
本研究は、近年、材料科学の分野等で注目を集めているフォノニック結晶の性質を利用して新しい超音波非破壊評価法を提案するものである.平成25年度は,平成24年度に開発した境界要素法をベースとした超音波伝搬シミュレーション手法について,その効率と安定性をさらに向上させて大規模解析を行い,フォノニック結晶構造中における波動特性を明らかにした. 1. 時間域において安定な解を求めることができるCQ -BEM(Convolution Quadrature-Boundary Element Method)による境界要素法の定式化において,時間依存の境界値の代わりに変換域のものを用いる修正CQ-BEM(rCQ-BEM)を開発した.これによって,計算メモリを大幅に削減できることがわかった.しかし,計算時間については従来のCQ-BEMと同じであったため,この点を改善するために,rCQ-BEMとACA(Adaptive Cross Approximation)を組み合わせることによって,計算時間も削減できるように工夫をした.これによって大規模解析のための数値解析手法の準備が整えられた. 2. 前年度行った結晶配置検討結果を基に,開発した数値解析手法を用いて超音波シミュレーションを行い,如何なるフォノニック結晶構造で,どの程度超音波を集束,並びに,ステアリングさせることができるかを検討した.特に,集束位置、結晶構造と屈折関係、集束点やステアリング角度による超音波強度について数値計算を行い,実用性の可能性を検討した.その結果,フォノニック結晶の性質を用いると,ある程度の集束やステアリングを実現することができるが,周辺領域にも波動が散乱するためノイズが大きく,実用レベルの超音波非破壊評価に用いるにはさらなる精査が必要であることがわかった.
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