研究課題/領域番号 |
24656278
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 光 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60242616)
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研究分担者 |
上田 尚史 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20422785)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | せん断破壊 / 繰返し荷重 / 曲げ降伏 / 変形性能 / 耐震性能 |
研究概要 |
曲げ降伏後のせん断破壊のメカニズム把握とせん断耐力低下の定量的な評価を行うために、以下の成果を得た。 (1)剛体バネモデルモデルによる曲げ降伏後のせん断破壊への適用性については、繰返し載荷を適切に表す履歴構成則の導入を行った。既往の実験結果を解析し、荷重変位関係ならびに変形挙動の比較から、用いる手法は曲げ降伏後のせん断破壊に対して十分な適用性を有していることを確認した。 (2)曲げ降伏後のせん断破壊耐力評価のための解析手法の構築としては、当初のアイデア通り、曲げ降伏後の鉄筋の降伏強度を変更し、せん断耐力を変化させずに曲げ耐力を向上することで任意の塑性変形でのせん断耐力評価を行うことに成功した。帯鉄筋がない部材に対し、開発した手法を用いてせん断耐力の低下挙動を評価した結果、多数の実験結果を統計的に処理することで得られたせん断耐力の低下を予測する式と概ね一致する結果を得、直接的にせん断耐力の低下を評価できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値解析手法の開発に成功し、目的とした問題への適用も実施し、当初のアイデアに間違いがないことを確認できたため、この点においては当初の計画以上に進展している。実験も行う予定であったが、解析手法の構築に重点を置いたため、実験計画策定までしか行かなかったことから、概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
数値解析については当初の予定通りに進める。様々な供試体諸元や載荷履歴での数値解析を行い、曲げ降伏後のせん断破壊の定量的評価を行う。また、開発した手法は3次元的にひずみや応力の状態を詳細に検討できるため、それらを可視化しながら破壊に至るメカニズムを明らかにする。実験については、当初予定していた実験を実施する。当初の予定通り進め、計画に変更は必要ないと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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